引き算
不思議なもので、自分はまがりなりにも版画家を自称しており、時折ちいさな場所を借りて愚にもつかないことを細々と表現している。しかしいずれは、もっと広く長いスパンで、愚にもつかないひそやかなることをたくさん語りたい。もちろん版画や文字というかたちで。本当に大切なものや美しいものは、一見価値のないようなもののなかに紛れ込んでいることが多いから、たまに誰かが遠回りしてとりに行った方がいい。
学生の頃からアートに携わる時間は長かったが、こんな風にすっきりと自分の頭の中が整理されるまでには随分と時間がかかったなと思う。時間はかかったものの、これはいくつもの引き算をしたおかげで、しっかり精査しながら引き算をすれば、痛みは伴うが大事なものはちゃんと残るのだと思う。足し算ばかりで増えたものに囲まれていると、時折なにか大事なものを見失うことになる。
そういう意味では次元は少し違うが、原発は迷わず真っ先に引き算の対象である。






























































































